FIT終了後の住宅用太陽光発電、余剰電力はどうする? 政府の見解は

資源エネルギー庁は、固定価格買取制度(FIT制度)において、2019年以降に買取期間が終了する住宅用太陽光発電への考え方と対応をまとめた資料を公表した。

この中で、FIT買取期間終了後、一時的に買手が不在となった余剰電力は、一般送配電事業者に無償で引き受けることを要請する案を示している。

また、FIT認定設備と非FIT認定設備が併存するケースでは、FIT認定設備からの逆潮流(買取)については送配電事業者または小売電気事業者が、非FIT認定設備(エネファームやFIT買取期間終了後の太陽光など)からの逆潮流については、需要家との相対契約に基づき小売電気事業者やアグリゲーターが買い取ろうとする場合において、差分計量(計量・演算)を適用することを前提に、非FIT電源からの逆潮流を解禁する考えだ。

FIT買取期間終了後の基本的な考え方

FIT制度による買取期間が終了した電源は、法律に基づく買取義務はなくなるため、電気自動車(EV)や蓄電池と組み合わせるなどして自家消費すること、また、小売電気事業者やアグリゲーターに対し、自由契約で余剰電力を売電することが基本となる。

こうした環境変化は、住宅用太陽光発電設備を設置している需要家にとっては、自家消費型のライフスタイルへの転換を図る契機となり、小売電気事業者やアグリゲーターにとっては、新たな供給力と需要を獲得するビジネスチャンスとなるため、FIT制度からの自立に向けた市場環境を醸成するためにも、買取期間の終了とその後のオプションなどについて、官民一体となって広報・周知を徹底していくことが重要だとしている。

余剰電力の一時的な買手不在時の対応

FIT買取期間終了後の新たな市場環境の下では、完全な自家消費が難しい中、事業者との売電契約の切替ができず、一時的に余剰電力の買手が不在(無契約での逆潮流)になるケースが生じる可能性がある。

こうした場合、無契約を理由に、余剰電力の系統への逆潮流ができないよう解列(電力系統からの発電設備切り離し)すると、住宅用太陽光発電設備の場合は、宅内配線状況によっては小売供給まで遮断される懸念があるなど、需要家に対して過大な不利益をもたらすことが懸念される。そこで、こうした余剰電力については一般送配電事業者に無償で引受けを要請することとする案を提示している。

ただし、一般送配電事業者による引受けはあくまで一時的・例外的な措置。小売電気事業者やアグリゲーターによる再エネを活用したビジネスを促進するような設計であることが重要だとしている。また、買手不在の余剰電力は周波数調整の負担を増す可能性があることにも留意が必要だとした。

差分計量を適用で非FIT電源からの逆潮流を解禁

現在、一需要家内にFIT認定設備と非FIT認定設備が併存する場合には、FIT制度に基づく買取量(逆潮流量)を正確に計量するため、非FIT認定設備からの逆潮流は禁止されている。しかし、

  1. FIT認定設備と非FIT認定設備が併存するケース
  2. 按分計量(証明用メーターを用いて按分計算を行い、各逆潮流量を算出)を行っているFIT認定設備の一部が非FIT化するケース(2019年以降)

において、逆潮流できない事象が発生する。

実証の結果、計量・演算(差分計量)により、FIT電源からの逆潮流量と非FIT電源からの逆潮流量をそれぞれ計量することが技術的に可能であることが確認されている。

そこで、前述の通り、FIT・非FIT認定設備が併存する場合は、差分計量を適用することを前提に、非FIT電源からの逆潮流を解禁する案を整理しまとめている。